ツバキと楽しむ、春の大島めぐり

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冬の終わり、常緑の木々にぽっと赤いともしびのように咲くツバキの花。木に春で「椿」と書くのだから、まさに春を告げる植物といえます。
ヤブツバキの自生する大島では、1月中旬から3月下旬まで椿まつりが開催され、多品種のツバキが咲く様子が見られます。島をめぐれば、火山のある島ならではの絶景があちこちに。
ぜひ、ひと足早い春を感じに、大島に出かけてみませんか?

生活文化をつなぐ、椿油

クレンジング後の素肌にたっぷりとつけてマッサージし、お風呂の蒸気のなかにいると、お風呂上がりの肌がツヤツヤに。

大島の名産品といえば、椿油。島の西部に位置する元町にある創業91年の老舗「高田製油所」では、濃厚で栄養価の高い油がとれるといわれている「玉締め式圧搾法」で椿油を抽出しています。美容や食用など汎用性が高く、シンプルでスタイリッシュなパッケージは島民の日常使いだけでなく、お土産にも人気です。

大正生まれの機械をメンテナンスして使用。伝統的な製法にこだわる。

1時間ほど圧を加えてやっとじんわりと染み出してくる油は、ひと晩おいてからゆっくりと漉されて純度100パーセントの天然椿油になります。原料となるツバキの実は、島民が家の周りに落ちているものを乾燥させて製油所に持参し、その昔は油や現金に変えていました。実は、現在もその様子は変わりません。椿油をつくり続けることは”大島の生活文化を残す”ことだと、4代目の高田義土(よしと)さんはいいます。

4代目の高田義土さん。Uターンして家業を継いだ決め手は、先祖から継がれてきた商品への信頼。「お客さんから感謝の電話がかかってくる商いってすごいじゃないですか」。

気候や人手不足の問題もあり、近年は島で採れる実の量も不安定に。けれども、近隣の島を含めた「島の実」だけで搾ることにこだわり、今後は椿油を中心に据えた生活提案もしていきたいという高田さん。数年以内に食周りなどで何か新しい動きがありそうな気配です。

【DATA】
高田製油所(タカダセイユジョ)
住所:東京都大島町元町1-21-1
TEL:04992-2-1125
営業時間:10:00~17:00
定休日:不定休
http://www.tsubaki-abura.com/index.html

日の沈む前に、島内をめぐれば

波治加麻神社の参道。ここは、古くは神話の舞台にもなっている場所。歩いた先に、本殿が。

サンセットのタイミングに日の沈む様子が見られる西海岸へ行くことに決め、明るいうちに島の北東にある泉津(せんづ)地区に向かうことにしました。

SNSの“映え”スポットとしても有名な泉津の切り通し。周囲を覆う苔と力強い木の根の風景は、どこか異世界に入りこんだよう。

鬱蒼とした杉木立ちの参道が神秘的な「波治加麻(はじかま)神社」や、巨木が岩に張り付き、まるで異界への扉のような「泉津の切り通し」は、SNSでも人気の写真撮影スポットだけあり、力のあるビジュアルです。石垣の連なる風情ある集落をめぐると、時間が止まったかのような風景が残されていました。

1〜3月は全長100m近く続く椿の並木道「椿トンネル」が圧巻。歩いて散策してみてはいかがでしょうか。

夕陽が沈んだあとは満天の星の下、天体観測を楽しんで。

日の入り時間が近づき、西海岸へ。島の北端にある野田浜遊泳場と元町港を結ぶサイクリングロード、「サンセットパームライン」の上からは、晴れていればどこからでも美しい夕景が見えます。北に富士山、西に伊豆半島、南は利島、新島、式根島、神津島などが見えるときもあり、眺望の良さでは抜群の立地にあります。この日は少し雲がありましたが、晴れ。夕暮れどきに足を止め、海の向こうをずっと眺めていると、雲間から現れた太陽がゆっくりと沈んでいきました。

洋上に沈む神々しい夕日を眺めながら願うのは、翌日の天気のこと。どうか晴れますように。

【DATA】
波治加麻神社(ハジカマジンジャ)
住所:東京都大島町泉津48
【DATA】
泉津の切り通し(センヅノキリドオシ)
住所:東京都大島町泉津 都道208号線

宿泊は、話題のBookTeaBed IZUOSHIMAで

2018年5月オープン。Wi-Fi完備。元町港そばの海に面した立地にあり、旅の拠点にするのに便利。

大島に泊まるには、温泉旅館やホテル、民宿、ゲストハウスなどの選択肢があります。なかでも、銀座や麻布十番でも展開しているホステル「BookTeaBed 」の支店「BookTeaBed IZUOSHIMA」は『本』×『カフェ』×『泊まる』をコンセプトにした居心地のいい空間。

シンプルな室内と清潔なリネンが嬉しい。シャワーとトイレがついている。

ひとり旅から家族、仲間との旅まで、人数によって5種類の部屋のタイプから選ぶことができます。ホステル内にある本やマンガは読み放題。部屋に持っていくと夜更かしをしてしまいそうですが、それも旅の醍醐味。ぜひ、滞在中に読めるだけ読み切ってしまいましょう。

【DATA】
BookTeaBed IZUOSHIMA(ブックティーベッドイズオオシマ)
住所:東京都大島元町2-3-4
TEL:04992-7-5972
https://bookteabed.com/ja/izuoshima/

焼きたてのパンを携えて、島内めぐり

朝からずらりと焼きたてが並んでいるのが嬉しい。原料の小麦は北海道産、白神こだま酵母を使用。

快晴を迎えた朝、早くから動きたくなって朝7時から焼きたてのパンが買える岡田港そばの「しま←じま」へ。
古民家の玄関を開けると、ぷうんと香ばしいいいにおい。木箱に入ったふっくらとしたあんぱんがおいしそうなので、手にとってみると重い!あんぱんやツナパン、オニオンブレッドなど、惣菜パンのずっしりとした重みだというのに、良心的な価格にびっくり。

好みのものを買って、外で食べると気持ちがいい。コーヒーや野菜ジュースなども販売している。

夜のうちにゆっくりと熟成させて朝一番に焼き上げたパンの味は滋味深く、丁寧にひとつひとつがつくられているのがわかります。
「地元の人たちがいつも買えるものを目指しています。
観光の人に来ていただけるのはありがたいので、フェリーの着く土曜は朝6時から開けていますよ」
店主の鈴木美保さんは、せっかく移住をして店を開いたのだから納得のいくいいものを提供していきたいといいます。

店名は、鈴木さんが江東区大島(おおじま)から大島(おおしま)に移住してきたことに由来しているとか。
なんと覚えやすいネーミング!

【DATA】
しま←じま(シマ←ジマ)
住所:東京都大島町岡田9
TEL:04992-2-8508
営業時間:7:00~15:00(無くなり次第終了)
定休日:不定休
https://cimajima.jimdofree.com/

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