ひと晩明けたら、自然のパワーを感じる別世界へ! 金曜夜発の大型客船で行く、三宅島リフレッシュ旅
ひと晩明けたら、 自然のパワーを感じる別世界へ! 金曜夜発の大型客船で行く、 三宅島リフレッシュ旅
金曜夜発の大型客船を利用して、まるで別世界を訪れたようなとびきり刺激的な週末体験ができるのが、東京都にある伊豆七島のひとつ、三宅島。金曜日の夜に船に乗り込み、眠って起きたら、そこはもう別世界。火山活動によって造られたダイナミックな地形や、ドラマチックな夕景、いくつもの星が瞬く夜空など、自然のパワーがみなぎる景観が随所に広がります。三宅島を旅すれば、五感が刺激され、眠っていた感情が次々と呼び起こされるはず。驚きに満ちあふれた、非日常体験ができる三宅島に出かけましょう!
三宅島へ旅するのは、アウトドア女子旅でおなじみのインフルエンサー・YURIEさん。キャンプやグランピングで日本各地を巡るYURIEさんも、三宅島は今回が初めて。伊豆諸島への船の玄関口・竹芝客船ターミナルから、旅はスタート!
三宅島に行く方法は、主に2つ。竹芝客船ターミナルから出航する大型客船か、あるいは調布飛行場からの飛行機を利用することで、三宅島にアクセスできます。今回は、大型客船「橘丸(たちばなまる)」で三宅島へ。ライトに照らされた船は圧巻の迫力で、「これに乗って冒険に出るんだ!」と一層テンションが上がるYURIEさん。22時30分に竹芝客船ターミナルを出発し、翌朝5時頃に三宅島に到着します。出港するとすぐに、きらめくレインボーブリッジが見えてきます。その迫力ある姿が迫ってくると、YURIEさんも「すご〜い!」と大興奮!さらにはレインボーブリッジを通り過ぎると、お台場の夜景、東京タワー、東京スカイツリー®の姿も。東京の美しい夜景が、旅の始まりを盛り上げてくれます。
30分ほど夜景を鑑賞したら、明日からの旅に備えてゆっくり休むことに。今回は、特2等室のベッドで就寝。「ゆったりとした2段ベッドなので、よく眠れそう♪」とYURIEさん。ちなみに、「橘丸」には女性の優先席もあるので、安心して休めます。
目が覚めるような絶景!
伊豆諸島を一望する「七島展望台」翌朝5時、三宅島の港に到着。秋から冬にかけては、まだ暗い時間帯ですが、YURIEさんはとっても元気!「早起きできて、なんだかトクした気分!1日をめいっぱい楽しめそうです」。
その後、予約しておいたレンタカーで宿へ。ひと休みして朝食をとったら、ドライブへ出発!空気が澄んでいる朝に訪れたいのは、「七島展望台」。“三宅島のシンボル”といわれる雄山の中腹付近にあり、天気のいい日は、大島をはじめとする伊豆諸島を眺めることができます。
周囲にあるのは、どこまでも続く海と青い空、野生的な表情を見せる山だけ。昨夜、出航する際、船上から見た都会の夜景とはまったく異なる景色が広がっていて、「三宅島に来たんだ!」と実感が湧きます。ワイルドで豊かな自然を目の前にし、ワクワクが止まりません!自然のエネルギーを体感!
「新鼻新山」で地層見学続いて、噴火によってできたダイナミックな景観が楽しめる「新鼻新山(にっぱなしんざん)」へ。この「新鼻新山」は、昭和58年(1983)に噴火が起きた際、一夜にして形成されたものといわれています。火口から噴出された岩石や火山灰が積もった結果、現在のような景観が生まれたそう。さらに、海側の山が削られたことで、今では、火山の断面をよく観察することができます。
「新鼻新山」は、黒や赤のスコリアに覆われています。スコリアとは、マグマが火柱となって噴出した際の飛沫が冷えて固まったもので、とても軽いのが特徴。踏むと、“サクッサクッ”と軽やかな音がします。
「新鼻新山」で見られる景観は、とにかく圧巻です。黒々とした大地を踏みしめて傾斜を上がると、そのすぐ先は、雄大な海。非日常感にあふれた場所で、まるで異星に降り立ったような気分に浸れるはず。また、「新鼻新山」の先端部に視線を向ければ、美しいレンガ色の断面が目に飛び込んできて、思わず見とれてしまいます。 三宅島が秘めるパワーを体現したかのような「新鼻新山」。感覚を研ぎ澄ましてみると、たぎるような生命力を感じ取れるかもしれません。「Terrace cafe Restaurant GIZMO」で、海を眺めながらおしゃれランチ
ランチに訪れたのは、三宅島の東部・坪田(つぼた)地区にある「Terrace cafe Restaurant GIZMO」。異国情緒が漂う白亜の建物で、広々とした庭を備えています。また、その先に広がっているのは、広大な海!
出迎えてくれたオーナーシェフの小林大輔さんが、店舗について説明してくれました。- YURIEさん
- 「ステキな外装と内装ですね」
- 小林さん
- 「ありがとうございます。以前ここは、ある写真家さんの別荘でした。2019年、この建物を生かして『Terrace cafe Restaurant GIZMO』をオープンしました」
- YURIEさん
- 「目の前が海というロケーションも、贅沢です」
- 小林さん
- 「冬から春にかけて、三宅島の海にはザトウクジラがやってきます。このカフェからも、クジラの姿を確認できることがあるんですよ」
- YURIEさん
- 「それはすごい!!」
YURIEさんも、思わずクジラの姿を探しに外へ飛び出して行きました。
この日注文したのは、「チキンのハーブ唐揚げ」(サラダ、スープ、ライス付き)。長細いお皿にハーブ唐揚げと付け合わせの野菜が並んでいる様子がユニークで、思わずテンションが上がります。
かわいらしい「日替わりアイスクリーム」と「パッションフルーツジュース」もおすすめ。「南国のジュースって大好き!口に含んだ瞬間、たっぷりとフルーツの香りが広がって常夏気分が味わえますね」と、YURIEさんもうれしそう。海を眺めながらのランチタイムは、なんとも贅沢。今回は残念ながら出合えませんでしたが、「クジラが見られるかな?」という淡い期待も、ランチタイムをより楽しいものにしてくれます。
野鳥の楽園「大路池」を散策。
神宿る「迷子椎」とご対面ランチの後も、絶景を楽しむドライブは続きます。こちらは、約2500年前の水蒸気爆発によってできた、東京諸島最大の淡水湖「大路池(たいろいけ)」。桟橋に立つと、池全体を見渡すことができます。
池の周囲にある原生林は、野鳥たちの格好の住みか。黒い頭と赤褐色の胴体をもつ天然記念物「アカコッコ」、全身が真っ黒の日本最大のハト「カラスバト」など、1年を通じて200種を超える野鳥が生息しているそう。「大路池」やその周辺には、鳥たちのかわいらしい鳴き声がこだましていて、うっとりと聴き惚れてしまいます。「大路池」から徒歩5分ほどの場所には、「迷子椎(まいごじい)」とよばれる椎の大木があります。数百年前から「迷子椎」は、“噴火を司る神が宿る神木”として大切にされていて、かつては、みだりに近づくことを禁じられていたほど神聖な存在なのだそう。
ところどころ補強されているものの、今もなお、威厳ある姿を保っている「迷子椎」。そのたたずまいから、三宅島の深い歴史や人々の想いを感じ取ることができます。日帰り温泉「ふるさとの湯」の
茶色いお湯に癒やされ、感動的な夕景を堪能ドライブや散策を楽しんだ後は、三宅島唯一の天然温泉「ふるさとの湯」へ。
内湯と露天風呂があり、内湯からは、三宅島のみどころの一つである「三本岳」を望むことができます。開放的な景観を楽しみながら、ゆったりと疲れを癒やす時間は、まさに至福のひととき。「ふるさとの湯」のお湯は、ナトリウム-塩化物温泉で、茶色がかっているのが特徴。冷え性や疲労回復、健康増進といった効能があるとされています。また、湯触りが柔らかく、疲れが取れそう!
長年「ふるさとの湯」に勤める、宮原和代さん。宮原さんは三宅島で生まれ育ち、いったん島を離れたものの、結婚を機に島に戻ってきたそう。- YURIEさん
- 「『ふるさとの湯』のお客様ってどんな方が多いんですか?」
- 宮原さん
- 「『ふるさとの湯』は、観光客はもちろん、島の人々にも親しまれている温泉です。古い常連さんも、たくさんいらっしゃいますよ。夏季は観光客の方が多いですが、それ以外の季節は、島の人が多いですね」
「ふるさとの湯」の周辺は開けていて、夕焼けを鑑賞するにはぴったり。日が沈む頃には、各所で息をのむほどの絶景を目にすることができます。赤く染まった空、ドラマチックに浮き上がる溶岩、真っ直ぐに空と海を分かつ地平線の、どれもがダイナミックで印象的。地球という美しい星に生きている喜びを、噛み締める瞬間です。
島内で指折りのビュースポット
「伊豆岬」で星空観賞太陽が沈むと、空にたくさんの星が輝き始めます。美しい星空を堪能するのに最適なのが、三宅島のビュースポットとして名高い「伊豆岬(いずみさき)」。明治42年(1909)に建造された純白の無人灯台が、「伊豆岬」のシンボルです。
「伊豆岬」に到着し、頭上を見上げると、思わず「わぁ〜!」と声をあげそうになります。大小さまざまな星が数えきれないほどたくさん、空でキラキラと輝いていて、まさに宝石箱。YURIEさんも、星の数の多さと、その存在感の大きさに驚いたよう。「自分の頭上に、すべての星がギュッと凝縮されているみたい!」と、こぼれんばかりの笑顔を見せます。
阿古地区にある宿「ペンション サントモ」に宿泊。
海の幸たっぷり夜ごはん今日は、三宅島の西部・阿古(あこ)地区にある「ペンション サントモ」に宿泊。阿古地区には、「火山体験遊歩道」や「ふるさとの湯」といった三宅島の名所が複数あり、こちらに宿泊すれば、そのいずれにもスムーズにアクセスできるので、観光の拠点にぴったり。
「ペンション サントモ」の主人の沖山厚子さんは、20歳の頃、結婚と同時に三宅島に移住。三宅島をすっかり気に入ったそう。「明るく気さくで魅力的な人柄なので、なんでも話したくなってしまいます」とYURIEさん。
- 沖山さん
- 「2000年に島で噴火が起き、5年ほど島外に避難していましたが、その間、島に戻りたくて仕方ありませんでした」
- YURIEさん
- 「『ペンション サントモ』の内装は、南国風なんですね。なんだかリラックスできます」
- 沖山さん
- 「私はハワイやバリが好きで、『ペンション サントモ』の内装にもその雰囲気を出すように考えています」
- YURIEさん
- 「テラスやお庭にも草花がたくさんあって、ステキです」
- 沖山さん
- 「庭には、ストレチアやハイビスカスといった南国の花や、大きなガジュマルの木もあります。ガジュマルは、なかなか手がかかる木ですが、夏場には葉をたくさん茂らせ、パラソルのような役目を果たしてくれます。ガジュマルの木の下でくつろぐ方もたくさんいらっしゃいますよ」
夕食時には、さらにハッピーになれること間違いなし。「ペンション サントモ」は、「東京 島じまん食材使用店」で、朝食・夕食時ともに、島の食材をふんだんに使った料理が提供されています。今晩のメニューはアカハタの煮付け、キメジマグロとカツオの刺身、シイラのフリッターなど。どの料理も食材の持ち味を生かした、優しい味わい。また、魚と野菜を中心に構成されているため、ボリューミーながら、ヘルシーなのもうれしいところ!
早朝に三宅島に到着し、絶景や温泉、島ならではの料理など、さまざまな楽しみを満喫した1日。まだ島に着いてから24時間も経っていないことが信じられないほどの、充実した1日となりました。
朝の空気を浴びて。
のんびり「電動アシストレンタルサイクル」翌朝にトライしたいのは、電動アシスト自転車でのサイクリング。三宅島には坂がたくさんあるものの、アシスト付きの自転車なら、島内を楽に移動できます。電動アシスト自転車は、「阿古漁港船客待合所」にある「三宅島観光協会」でレンタルできます。軽い運動を楽しみながら三宅島の風を感じる、爽快なひとときのスタート。
「火山体験遊歩道」で、火山のパワーを実感
サイクリングの最中、立ち寄ったのは「火山体験遊歩道」。この場所には、かつて阿古集落があり、温泉郷として栄えていましたが、昭和58年(1983)に噴火が起きた際、阿古集落は溶岩流の下に埋もれてしまいました。しかし、幸いにも、住民の迅速な避難などが功を奏し、死者は出なかったそう。
「火山体験遊歩道」は、旧阿古集落跡の溶岩上に作られたもの。遊歩道の周りや山肌には、今もなお、大小さまざまな溶岩が残っています。自然の想像を超えるパワーに対して畏れを抱かずにはいられません。 遊歩道を歩くと、ハチジョウイタドリをはじめとした植物が息づいていることに気がつきます。荒涼とした溶岩原に、力強く根を下ろす植物。こうした存在にも、とても力づけられます。「火山体験遊歩道」には、阿古小中学校の跡地も。流れてきた大量の溶岩によって、阿古小中学校の校舎は、2階部分まで埋まっています。また、校舎の隣にある体育館をのぞくと、鉄筋が大きくぐにゃりと曲がっているのが見て取れます。立ちすくんでしまうほどの脅威を感じる光景です。
火山が噴火した昭和58年(1983)10月3日は、前日に開催された運動会の振替休日で、学校は休みだったそう。噴火当時、この場所には子どもたちがいなかったと知り、深い安堵を覚えます。「土屋食品」でおみやげ&お弁当を購入
三宅島とお別れする時間が迫ってきました。船に乗る前にゲットしておきたいのが、おみやげと船内で食べるお弁当。錆ヶ浜港(さびがはまこう)近くにある「土屋食品なら、三宅島ならではの品々や、店内で手作りしたできたてのお弁当を購入することができます。
今回購入したのは、三宅島の特産品の一つであるのりがたっぷりとのせられた「のり弁当」。のりが肉厚で歯ごたえがあり、三宅島の海の豊かさを実感できます。また、三宅島銘菓の「牛乳煎餅」、餅とサツマイモを練り合わせた「さつま餅」、「パッションフルーツコンフィチュール」、「三宅島のあしたばカレー」など、魅力的なおみやげがずらり。また、三宅島観光協会の売店でも「明日葉アイスクリーム」をはじめ、島ならではの商品を購入可能。最後の最後まで、三宅島の魅力を堪能できます。
「土屋食品」から、船が出る錆ヶ浜港までは徒歩2分ほど。事前に乗船手続きなどを終えて、13時45分、大型客船「橘丸」で三宅島を出航します。名残惜しい気持ちを残して、竹芝客船ターミナルへの帰路へ。
金曜夜に竹芝を出て、ゆったりと週末を過ごしたYURIEさん。「三宅島で過ごした2日間は"大自然を満喫"というよりも"地球を感じる"という言葉がしっくりくる旅でした。火山の噴火によって作り出されたダイナミックな景色、宇宙にいるかのような星空、溶岩と海の鮮やかなコントラスト。寝て起きたら別世界に来てしまったかのような高揚感は久しぶりで、旅らしい旅をした気分になりました」と旅の魅力を語ってくれました。
三宅島は、まるで島全体がパワースポットのよう。全身で三宅島を感じてみれば、心から癒やされ、帰る頃にはなんだかパワーをもらって、すっきりとリフレッシュした気持ちになれる場所です。