三宅島

堀 正岳

堀 正岳

ブログ「ライフ×メモ」管理人。
どんな旅も歴史と文化と人の物語としてフィールドワーク的な手法で切り取ることを得意としています。
本業は北極の気候学者。ときに船で航海に出たりしています。

おすすめポイント

  • #火山体験遊歩道
  • #メガネ岩
  • #温泉
  • #生島新五郎の墓
  • #磯釣り
  • #ダイナミック
  • #溶岩山
  • #海岸沿いの温泉

今回廻ったコース

  • ・1日目:
    竹芝桟橋⇒三宅島⇒宿
  • ・2日目:
    レンタカー⇒椎取神社⇒ひょうたん山⇒サタドー岬⇒長太郎池⇒ココナッツガーデン(中華 昼食)⇒大路池⇒迷子椎⇒アカコッコ館⇒七島展望台⇒生島新五郎の墓⇒メガネ岩⇒ふるさとの湯⇒火山体験遊歩道⇒錆ヶ浜港

1日目

船旅

船旅

三宅島に行くには調布飛行場から小型飛行機で1時間で飛ぶ方法と、今回私が体験したように船旅で6時間30分かけてゆく方法があります。
橘丸

橘丸

鮮やかな黄色にオリーブ色のストライプを配したデザインはアンクルトリスで有名な故柳原良平氏のデザインです。船内の随所にイラストレーションを楽しむことができます。そしてこの「橘丸」、新造船ということもあって環境もよいですし、船も大きいので揺れが小さいのが特徴です。
竹芝桟橋

竹芝桟橋

「橘丸」は毎日、大門・浜松町駅から歩いて10分ほどの竹芝桟橋から夜に出港します。船のターミナルは飛行機とちょっと似ていて、乗客はいったん集合してから船に案内されますので、出港の30分前には到着しているのがよいでしょう。
2等和室

2等和室

この仕切りに一人ずつが毛布をならべて休むことができるのですが、繁忙期でなければけっこう余裕があります。乗船したら、すぐに毛布を100円で貸し出してくれますので、仮眠をするために2-3枚借りておきましょう。
食堂

食堂

出港から1時間ほどは食堂が営業をしています。カレー、うどん、ラーメンなど、たいていのものは揃っていますし、つまみも用意がありますので、お腹を満たしてから一眠りというのでもよいでしょう。
到着

到着

11月のこの日は朝5時だとまだまっくらです。しかし、その日にとまる予定の旅館に事前に連絡をしておきましたので、旅館の車が迎えに来てくださっています。釣りに行く人々はすばやく目的地にむけて行動していたひともいるようですが、観光目当てのひとはいったん宿の休息部屋などで夜が明けるまで休むのもよいでしょう。

週末のまわり方

朝5時についてすぐにフルパワーで活動できるというかたもいると思いますが、レンタカーを借りたり、ちょっと休憩したりといった時間差を考慮すると、一泊予定で到着日にゆっくりと観光をして、次の日は軽く散策できる場所を選んでおくという2段階がよさそうです。

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2日目

レンタカー

レンタカー

見どころスポットをじっくりと楽しむには、レンタカーを借りて効率的に回るのがおすすめです。三宅島には村営のバスがあり、停留所も多いのですが、一日に走っている本数は5本だけとなっています。慣れていないと停留所の場所をみつけるのも苦労です。
椎取神社

椎取神社

まず訪問したのが、島の北東部にある「椎取神社」です。三宅島ではたびたび噴火が起こっていますが、2000年の噴火では島の北東部に大量の火山灰が降り、それが雨によって泥流となって広大な地域を沈めました。三宅島の自然のダイナミックさを感じ取れます。
ひょうたん山

ひょうたん山

椎取神社から車で南に走ること5分程度でみえてくるのがこちらの溶岩山「ひょうたん山」。1940年と1962年の噴火によってうまれた海岸線沿いの溶岩の山です。面の噴石を踏みしめると、モリモリと音を立てて足元で崩れてゆく感覚は、いままで歩いたことがない不思議な感触です。
サタドー岬

サタドー岬

ひょうたん山からさらに5分ほど海岸線を進むとたどり着くのがサタドー岬です。この崖は、遠い昔に分厚い溶岩が海に流れ込み、その後侵食をうけて生まれたとみられます。この崖をものともせず、ここには大勢の磯釣りの客が来ており、釣りの名所だということがわかりました。
長太郎池

長太郎池

三池港から少し進んだあたりにあるこの「長太郎池」は、比較的安全なくぼちになっていて、潮が引けば魚を観察できるタイドプールになる場所として知られています。これも溶岩によってできた地形ですが、数千年がたって堆積物と海による侵食があるおかげで、見た目はほかの海岸とは異なります。こうした地質学的なスケールでの地形の微妙な変化を観察することができるのも、三宅島の海岸線の魅力です。
ココナッツガーデン

ココナッツガーデン

このあたりで昼過ぎになりましたので、お昼ごはんを。ここは小さな庭にベンチとパラソルが広げられた開放的な店で、「ココナッツ」と名前がついているものの中華が中心の食堂です。ラーメンとチャーハンのセットが手頃でおすすめです。
大路池

大路池

お腹もいっぱいになって、午後に最初に訪れたのは、島の南部、坪田地区にある大路池です。ここは伊豆諸島でも随一の大きさを誇る淡水湖で、周囲はバードウォッチングに最適な森が広がっています。大路池の周囲は1時間ほどかけて歩くことができます。
迷子椎

迷子椎

このコース上で目を引くのがこちら、樹齢数百年の「迷子椎」。森で迷っても、この神木を目印にあるけば迷わないといわれたことからこの名前が付きました。
アカコッコ館

アカコッコ館

湖のほとりには、自然ふれあいセンター「アカコッコ館」があって三宅島の鳥や自然について学ぶことができます。こちらが、国の天然記念物のアカコッコの模型。
七島展望台

七島展望台

一日目の夕方に目標としていたのがこちら、坪田地区から山を車で20分ほど登った場所にある七島展望台です。七島展望台は天気の良い、大気の澄んだ日ならば伊豆諸島から八丈島まで見ることができる場所で、背後には雄山(おやま)の壮大さを間近に見ることができる場所でもあります。
生島新五郎の墓

生島新五郎の墓

江戸時代の大奥最大のスキャンダルである江島生島事件で有名な歌舞伎役者、生島新五郎の墓です。こちらは島の北西部、伊豆岬の南側の集落のほとりにひっそりとたっています。
メガネ岩

メガネ岩

今回は島の南西部の錆ヶ浜のホテル「海楽」に泊まっていましたが、ここを宿泊地に選ぶと、二日目の船が出港する前にいくつか足で回ることができるスポットがあるのでお得です。その一つが、錆ヶ浜港から歩いていける海岸沿いにある通称「メガネ岩」。
ふるさとの湯

ふるさとの湯

メガネ岩のすぐ近くには、ふるさと体験ビレッジ「ふるさとの湯」があり、旅の疲れを洗い流すことができます。海岸沿いの温泉ということで、つよい塩辛さを感じる濃茶色の湯です。
火山体験遊歩道

火山体験遊歩道

もう一箇所、船が出る前にぜひ訪問したいのが、メガネ岩から歩いてすぐの火山体験遊歩道です。1983年の噴火で溶岩は人々の生活の痕跡をすべて埋め尽くしながら、海岸沿いの阿古中学校に押し寄せて止まりました。この体験遊歩道は、この中学校の廃墟を間近にみて、噴火災害の凄まじさを知ることができる場所なのです。
錆ヶ浜港

錆ヶ浜港

レンタカーと徒歩で三宅島の見どころを取材してきましたが、船が出るまでにほぼ島全体を一周することができました。今回は帰りの船が宿泊地の目と鼻の先の錆ヶ浜港についたので時間に余裕があったのも助かりました。

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