御岳山で過ごす、東京の静かな夜
大都会の喧騒を離れ、美しい山にくつろぎのひとときを求める

  • 奥多摩
  • Nature

神社で心静かなときを過ごしてから、約2時間のハイキングが始まりました。深い森の山道を進みます。スタート地点は神社のそばにありました。谷をくだると、目の前に息をのむような光景が広がりました。広大な「秩父多摩甲斐国立公園」には、さまざまな山や渓谷を結ぶハイキングコースがありますが、御岳山のこの山道もそのひとつです。山道は広範囲に張り巡らされているので、泊りがけのハイキングが楽しめます。

山道をたどる
緑豊かな木々が陽射しをさえぎり、ハイキングも快適

なだらかな山道を30分ほど歩くと、「ロックガーデン」(岩石園)と呼ばれる場所にたどり着きました。清流の両側に転がる、苔の蒸した無数の岩の姿が印象的です。頭上は木々の深い緑に覆われ、一帯には何ともいえない穏やかな空気が漂っていました。まさに我を忘れてしまうような風景です。山道を少し進むと、さらなる絶景が目の前に広がりました。「綾広の滝」です。

見事な森林の姿
苔蒸す岩

綾広の滝は昔から、この山の神聖な場所とされており、滝行が行われています。翌朝、神主立ち会いのもと滝行できるとのことで、実際に滝を間近に見ているうちにワクワクが止まらなくなりました。

滝そのものの美しさも見事です。けれど、勢いよく流れ落ちていく滝の音が周りの岩に反響する様も格別で、その音を聞いているうちに、「ここは東京だ」という事実自体が信じられなくなるほどでした。滝から30分ほど神社の方に戻り、山道を終えると、今晩の宿へと向かいます。

「綾広の滝」に到着
神聖な場所
1日中歩き回ったあとの極上の一風呂

その晩の宿に決めていた宿坊「駒鳥山荘」に到着したのは、夕食時間の直前でした。案内されたのは、布団が用意された居心地の良さそうな畳の部屋で、窓の外には美しい山腹が見えました。こうした宿坊は何百年にもわたり、武蔵御嶽神社に参拝する巡礼者のために宿を提供してきました。現在では、巡礼者だけでなく旅行客も迎え入れ、分け隔てなく部屋や風呂、食事を用意してくれます。

荷物をほどいた後、まず思い浮かんだのはお風呂に入ることでした(なんと、ここのお風呂は趣のあるヒノキの風呂桶でした)。風呂で極楽のひとときを楽しみ、筋肉痛も和らいだあとは、食堂に向かいます。川魚に、蒸した野菜、豆腐料理、御岳山でとれた筍を使った筍ごはんなど、伝統的な日本料理に舌鼓を打ちました。一日中、山を歩いてきたあとだったので、本当においしくいただきました。食事のあとは、部屋に戻り、ぐっすりと眠りました。

おいしい夕食
今晩の部屋
山頂のバルコニー

関連記事