清々しい空気と豊かな自然が広がる東京の青梅・福生へ、春を満喫する旅に出掛けましょう。旅のキーワードはお酒と和文化。蔵元を訪ねたり、日本の伝統美に魅せられたり……。梅や桜、つつじなどが鮮やかに彩る絶景も待っています。
新宿から電車で約1時間半。まず向かうのは、清らかな多摩川のほとりにある「小澤酒造」。創業は1702年。300年以上にわたって、青梅の地で日本酒を造り続けてきました。
旅のはじまりは、日本独自の文化ともいえる日本酒の魅力に触れに、「澤乃井」を醸す小澤酒造へ。蔵のある青梅市沢井は多摩川の清流が流れ、四季の美しい情景も魅力的で、多くの芸術家が愛した土地ともいわれています。
こちらの酒蔵では、無料の酒蔵見学を開催しており、酒造りに使用される仕込み樽や熟成酒が並ぶ蔵内を歩きながら、酒造りの工程だけでなく、その歴史・文化についても学べます。見学の最後に用意されている利き酒もおたのしみに。
小澤酒造ならではの美味しさを生む一番の秘密は水にあります。酒造りの全工程で、敷地内と山奥にあるふたつの井戸に湧く、透きとおった美しい天然水を使用しています。
見学後の利き酒で味わい足りなければ、敷地内にある「きき酒処」へ。新緑が美しい春先には、多摩川の大自然を愛でながら、常時10種類前後の日本酒を堪能することができます。季節限定のものもあり、春先に並ぶ「花見新酒」はぜひ味わってみてください。
【DATA】
〒198-0172
東京都青梅市沢井2丁目770
http://www.sawanoi-sake.com/
※酒蔵見学は
1日4回(事前予約推奨。11時、13時、14時、15時/月曜休、ただし祝日の場合は開催、翌火曜休)、きき酒処での試飲は1杯200円~(おちょこ付き)
小澤酒造で日本文化を体感したあとは、日本女性の髪かざりをテーマにした「櫛かんざし美術館」へ。
同館の所蔵品は、江戸から昭和までの櫛とかんざしを中心に、紅板(昔の携帯用化粧道具)、はこせこ(懐紙や鏡などを入れて懐にはさむ箱形の装飾品)、矢立(携帯用筆記具)などさまざまで、その数は約4000点。
いずれも金や銀、琥珀、象牙、べっ甲などの上質な素材を使い、木工、金工、漆工といった伝統的な技によって生まれたものばかり。その華やかさ、精緻さには日本ならではの美が凝縮されています。
先人の技術の粋を感じられる装飾品に秘められた、芸術作品としての美の世界も楽しんでみてはいかがでしょうか。
【DATA】
〒198-0064
東京都青梅市柚木町3丁目764-1
http://kushikanzashi.jp/